「中欧」と呼ばれるヨーロッパのやや東寄りに位置する地域は、地理上の東西のはざまと歴史のマルジナリアのなかに存在してきました。その領域は、たくさんの国境や言語の線によって時につなげられ、時に分断されてきました。綴られることなく、空白に消えていった無数の出来事。この地域に大なり小なりかかわる者が集まり、そんな「余白」に想いを馳せ、自由に手書きでメモを書き入れながら、つくりあげたのがZINE『Notaki のたとき』です。
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目次
チェスワフ・ミウォシュへの投壜通信 山本悠太朗
「オデーサ(オデッサ)の大階段」を見てみたい 佐伯彩
トランシルヴァニアの瞳 阪本佳郎
山椒魚の足音 村瀬泰菜
ヨシップ・イェラチッチ像とその周辺 宇野真佑子
バルトークのうそ 新野見卓也
中くらいの愛──あるいは書くことのスリングショット 須藤輝彦
自分だけの家、または水街ダイアリー 中井杏奈
作者について書かれないこと 富重聡子
批判理論の理念と反時代性 秋元由裕
プラハという迷路、飲んだビールは恋の味 佐藤ひとみ
一七歳 二井彬緒
近代日本と「東欧」の夢 吉川弘晃
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大きさ:A5サイズ、162ページ
編集:佐藤ひとみ・中井杏奈・山本悠太朗
表紙・挿絵:リーヴィース安奈
印刷:ちょ古っ都印刷